表題について別に二人を対比したりしたいわけではない。これは長州ファンだからかもしれないが、佐々木健介の記事を見たりすると必ず長州の影を感じずにはいられない。元を辿れば二人は師弟関係にあるわけだし、当たり前と言えば当たり前なわけだが今では二人は袂を分かち別々の道にいるわけだから妙と言えば妙でもある。
ある一時期。佐々木は長州に近づこうとしていた時期が確かにあったと思う。別の見方をすれば自分のスタイルというものを模索せずにトップレスラーとなった稀有な存在でもある。当方に言わせればプロとしての試合を意識することのないままある一時期を過ごしてきたレスラーである。同世代に三銃士がいて、特にお客を意識せずに試合をしても許される環境にいた事も彼にとってはマイナスになったのかもしれない。
長州の劣化コピーと揶揄されながらも、時にはパワーウォリアーとして売り出したこともあった。もしかしたらパワーのままいっていたら違ったレスラーになったかもしれないが、長州スタイルを意識するあまりにパワーというキャラを完成させることなく佐々木健介に戻ってしまった。泥臭く雑草の道を歩んできた割にはファンの心を揺さぶるような個性を発揮出来なかったのは不運としか言い様がないかもしれない。
馳健タッグで一世を風靡したのが彼にとっては全盛期だったようである。あの頃の輝き以上のものがその後はないのではないだろうか。結局、長州からも馳からも独り立ちできなかったと結論づけてもいいかもしれない。WJ以降長州と袂を分かってからの活躍はレスラーとしてどれほどの評価が出来るのだろうか。三冠王座に就こうがアジアタッグを取ろうが弱小プロダクションの御頭程度の認識しかない。
佐々木が長州と最後に絡んだのは上井氏が手掛けたW-1だった。あの試合では双方に色々言い合ったが、佐々木が私怨をぶつけた試合でしかなかったのではないだろうか。二人の間に何があったかは知らない。(北斗が色々言っているのは知ってるがどうでもいい)あの二人が絡むからには何かが生まれるという期待が上井氏にはあったに違いないのだが、リードするはずの佐々木の力量が無さ過ぎたのが致命的だったようである。それは前田も総括の中で述べた通りである。
何があってもプロはプロ。試合を成立させてこそのプロだ。一方的に自分のやりたい事をやって終ってはファンに何も響かない。そもそもそういう意図で上がっていないのであれば底が知れているわけだが、結果としてそういうものになった。敢えて長州擁護の立場に立つのはファンだからというだけではなく、長州は既に一度引退して一線からは退いているレスラーだからというのがその理由である。勝敗はやる前から予想がつく。その中で何が見せられるかは佐々木のレスラーとしての器にかかっていたのだが結果はあの通りだったのだから。元々現実にありがちな金絡みの痴話喧嘩では興行の目玉になる遺恨対決にはなり得なかったと結論付けられるかもしれないが。